あれもこれも、欲ばりのすすめ
文学の師にむかし、あなたは欲がないと言われた。
あまり文学賞に応募しなかったのは欲がなさ過ぎたせいだと後年、気づいた。
当時は月刊同人雑誌に年間3作4作発表し、先生の批評を受けるのが目標だった。
純文学系文芸雑誌の新人賞に何回かは応募した。
最終候補に4回残って受賞は逸した。1作だけ佳作になった。
欲がないと言われた私だが、自分の人生は欲ばりだと考えるようになった。
「二兎追う者は一兎をも得ず」というが、何兎も追う人生に思える。
睡眠を削って小説を書きつづけ、会社勤務し、恋愛も結婚も、子供も得て未だ進行中。
田舎暮らしに憧れて地方都市に家を建て二地域暮らし。山荘では執筆や特許出願や自分史講座、メーク講座でコミュニティ活動と向こうからやってくる。
たかだか100年1回きりの人生、それもいいと開き直る。
しかし若い人たちに接して思うのは、「欲がない」である。
そこで「キミは、欲ばりになれる」を書いてけしかけることにした。